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法務省は、犯罪グループなどが不法に入手した暗号資産を確実に没収するため、組織犯罪処罰法を改正する方針を固めた。暗号資産はサイバー攻撃で狙われたり、マネーロンダリング(資金洗浄)に悪用されたりするケースもあるが、現行法では没収対象に含まれるか明示的な規定がなく、「犯罪収益の取り上げに支障を来す」と懸念されていた。
暴力団などによる組織犯罪や資金洗浄を取り締まる同法は、犯罪収益が▽土地・建物などの「不動産」▽現金や貴金属といった「動産」▽預金などの「金銭債権」――である場合は没収できると規定している。
ただ、暗号資産は「円」や「ドル」といった通貨のように国や中央銀行の後ろ盾がなく、発行主体も明確ではないことから、不動産や動産だけでなく、金銭債権にも当たらないという解釈が一般的だ。暗号資産の持ち主が「取引所」と呼ばれる交換業者に預けている場合、金銭債権とみなされることもあり得るが、その線引きは、はっきりしていない。
このため、サイバー攻撃で流出したり、犯罪で得た資金を交換したりした暗号資産を見つけても、犯人側の手元に残る事態が生じかねず、検察当局からは「確実に没収できるよう、必要な立法措置を講じるべきだ」との指摘が出ていた。
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